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執筆者の写真mizunekkojp

Nutrient Film Technique (NFT) System とは


水耕栽培とひとくちに言っても、その栽培方法にはいくつか種類があります。この記事では、その中でも人気の栽培方法である「Nutrient Film Technique System」について、その特徴や運用方法を取り上げます。


 

(画像:NFTシステムを用いた植物工場の様子)


Nutrient Filter Technique System とは?


Nutrient Filter Technique System ( = NFTシステム) とは、水路を循環する液体肥料に植物の根を浸して育てる水耕栽培の方法です。液体肥料は緩やかな傾斜で流下させポンプで遡上させる、といったように循環させます。


日本語では「薄膜水耕栽培」と呼ばれていますが、この記事では以下、NFTシステムと呼びます。



NFTシステムの機能と必要なもの


1.液体肥料を循環させる水路

NFTシステムにおける植物の根は、水路を循環する液体肥料の中で根を張ることになります。ここで使用する水路は、PVC(塩ビ)パイプなどが使用されることが多く、液体肥料が流下・循環するように緩やかな傾斜がつけられています。


PVCパイプの規格は幅広くありますが、直径が10cm以上あるものをおすすめします。あまり細すぎると根が詰まるのでご注意ください。特に、水を流下させる付近の穴は詰まりやすいです。

2.ネットポットと培地

3.水中ポンプ

4.エアポンプ

5.植物育成用ライト

6.pH測定器


どんな野菜の栽培におすすめ?


レタスやホウレンソウなどの葉菜類、ハーブなどの栽培に適しています。特に、根があまり長く伸びないタイプの植物がおすすめです。

培地を深さのあるものにすることで、タマネギやダイコンなども育てられることは可能ですが、収穫までに時間がかかる上に、難易度が高いことが想定されます。



NFTシステムは自作できるか?


はい。NFTシステムで必要な材料の多くは、ホームセンターなどで集めることができます。加工がむずかしい箇所もいくつかはありますが、比較的かんたんな構造なので、DIYで始めることが可能です。



かんたんな手順をご紹介


1.液体肥料を貯める容器を準備


適切なサイズの容器を選択します。藻の発生を防ぐために遮光性が必要です。


2.液体肥料を循環させる水路を準備


直径が10cm以上あるPVCパイプをおすすめします。あまり細すぎると根が詰まるのでご注意ください。特に、水を流下させる付近の穴は詰まりやすいです。

また、ネットポットを収容できる大きさの穴を開ける必要がありますので、そのための工具の準備もしておきます。工具はホームセンターでレンタルすることもできるので、チェックしてみてください。


3.容器と水路のセットアップ


容器と水路を組み合わせ、液体肥料が循環できる状態にします。繋ぎ目には、PVCパイプを使うこともできますが、ここではホースなどの柔軟性のある素材を使用すると設計が楽になります。設計次第では、大規模な組み立てをしたり、ピタゴラスイッチのような複雑に入り組んだ装置を作ることも可能です。

また、液体肥料を水路から容器に流下させるためには、水路は緩やかに傾けておくと良いです。そして、液体肥料を容器から水路に組み上げるための水中ポンプは、流量や揚程能力を基準に選びましょう。


4.ネットポットと培地


ネットポットに培地を入れます。まずはかんたんに準備できるスポンジを培地にすると良いかもしれません。スポンジを使う場合は、中央に切り込みを入れ、そこに種子または苗木を埋め込み安定させます。バーミキュライトを使う場合などは、ネットポットの隙間から培地がこぼれ落ちるのを防ぐために、不織布などを敷いて準備すると良いです。


5.エアポンプ


容器の大きさによってはエアポンプが入らないケースもあるかと思います。その場合は無理にエアポンプを準備する必要はありません。ただし長期で植物を育成する場合は、エアポンプを導入することで、根の状態をより良く保つことができるでしょう。


6.根を液体肥料に浸す


培地から伸びている植物の根を、液体肥料に浸します。液体肥料は蒸発などで減っていきますので、容器の液体肥料が減ってきた場合は継ぎ足します。液体肥料の状態が良くなさそうであれば、液体肥料をすべて入れ替えても良いでfしょう。液体肥料の希釈は、各メーカーが推奨する倍率で準備してください。


7.植物育成用ライト


日当たりの悪いキッチンで育てる場合や、日照時間の短い季節の場合、植物によっては思うように育たないこともあります。屋内でも安定した水耕栽培を実現されたいのであれば、植物育成用ライトを導入すると良いです。

別の記事でもご紹介しますが、植物育成用ライトは、PPFD(光合成光量子束密度)という単位を基準に選ぶと良いです。一方、一般的に光の強さを表すLUX(ルクス)やLUMEN(ルーメン)は、ひとつの目安にすると良いです。



NFTシステムの取り組み例


植物工場を運営されている企業でよく目にするのが、このNFTシステムです。さらに、ネット検索をすることで、いろいろとチャレンジしている方のYouTubeやブログ記事を確認することができます。是非、そちらも参考にしてみてください。



まとめ


規模の大きい水耕栽培をしたいならおすすめ。

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